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東京マラソン つづき [まじめな話]

D700を構えると、ランナーにカメラを向けた。
レンズ越しに見ると、肉眼の何倍にも大きく見え、ランナーの表情が手に取るほど良くわかる。
ここのポイントは、およそ30km地点にあたるであろうか。ランナーは、既に限界を超えているはずである。

苦しそうな表情をしている。もう残り1/4を走り切れば見事完走である。苦しさのなかにも、希望に満ちた視線が飛び込んでくる。その視線は、進行方向やギャラリーをしっかり見つめている。
この交差点では、みなギャラリーに笑顔を振りまいて、声援に応えてくれる。
手を大きく振って颯爽と駆け抜けるランナー。いやあ~、恰好よ過ぎ!これは、写したい瞬間である。撮れるか?!カメラを連射していった。
_DSC3593.jpg

しかし、なかなか狙ったランナーが、写真の中央辺りに定まらない。
一般的な風景写真や人物写真を撮るときには、カメラのブレはあまり気にならない。
しかし、望遠レンズの場合は、一点を大きく拡大しているため、レンズ越しに見えるランナーが、カメラの僅かな動きによって、上下左右に大きくぶれるのである。
コンパクトデジカメやiPhoneでも、10倍とかに拡大して人を撮影するとき、なかなか画面中央に人がこないことがある。これと同じだ。

それでも、何とか中央辺りにくるようにカメラを微妙に動かす。
笑顔、真剣な表情、力強いガッツポーズ。
_DSC3581.jpg

これらの表情は、百分の1秒でも大きくかわってしまうのだ。こんな一瞬を逃すまいと、ランナーにピントを合わせ、ピントがずれないように左から右へカメラを動かしながら、連射してゆく。

誰にピントを合わせるかを考えていると、あっという間にそのランナーはいなくなる。
誰を撮っても、ひたすら走る姿は絵になるなあ、などと考えながらひたすら連射し続けた。

そして、こちらは何Kgかあるカメラを長い間構えていると、体も熱くなり、汗をかいてきた。
望遠レンズを持っている左腕は、既にパンパンに膨れている。
気付けば、あっという間に500枚程撮影している。替えのメモリカードは持ってきているが、メモリカードの空き容量が気になる。
それでも、下手な鉄砲も・・・の精神で、
1,2枚は、勢いが伝わる写真が奇跡的に撮れてていて欲しい。こう思いながらさらに撮り続けた。
更にメモリカードを入れ替えながら、1000枚程は撮影しただろうか?
気付けば、ランナーが少し疎らになってきた。
別のアングルからも撮りたい。そう思いながら、別のポイントへと急いだ・・・


百メートルほど移動しただろうか?またカメラを構える。
今度は、1人のランナーが遠くから走ってきて、自分の前を通り過ぎてゆく。その間、ずっとランナーを見守ることができる。
それで、1人1人をゆっくりとカメラに収める事ができるのだ。

眺めていると、メチャクチャ可愛い娘やメチャクチャ綺麗なお姉さんが、走っている。
綺麗なお姉さんが走っている姿は、さらに美しく、特に応援したくなるのは、自分だけであろうか(笑)?
グラビア写真でも撮るかのように、ひたすら1人の綺麗なお姉さんを撮りまくった!
そしてまた、綺麗なお姉さんを見つけては撮ってゆく。家に帰ったら、彼女のお仕置きが待っているにちがいない。写す被写体を見透かされているのだ(笑)。
それでも、綺麗なお姉さんを撮りたくて、仕方が無い。もう、こうなるとマニアを越して、ストーカーか変態だな。こう思いながらも、なお撮り続ける。美人が走っている姿を、いいアングルで収めたいのである。

そうこうしなから撮っていると、いろんな人が走ってくる。やっぱり目立ちたい人もいるんだな~。
しかし、この仮装して走る人達は、ある意味、先頭の選手より、苦しいだろう。そして縫いぐるみの中はかなり熱いはずた。なにを求めて走っているのか、ここからは到底想像も出来ない。
それでも、お祭りも兼ねたこのマラソン!声援はこの人達が通過するとき、MAXに達する!

そして、次の瞬間、ギャラリーの声が高鳴った!
「 アシモ! 頑張れ~! 」
ランナーも熱いが、ギャラリーも負けずと熱い。
このハイタッチ!
_DSC4633.jpg
僅か、1,2数秒の出来事であった。
アシモの中は女のコだったと思う。いやあ、この瞬間、深い感慨におそわれた。
この大きなアシモを担いで、ここまで30km走ってきたのだ。孤独な戦い。自分に負けずとここまできたのである。
どんな思いで走ってきたのか?想像もつかないが、この一瞬に深く感動した。
そして、見ず知らずの人達が、温かくハイタッチをしてくれる、この若者にも声援を送りたいとおもった。

話は現場にもどるが。
「おお~い! 来たあ来たあ~!」と、ギャラリーが、ざわつき始めた。
あわてて遠くに目をやると、三人が並んで走ってくるのが見える。その周りをまた多くのランナーが、取り囲んでいた。
そう、「 トゥ~ス 」のあの人である。
やはり、声援はMAXに!
_DSC4520.jpg
後半は、芸能人も見れるだろうと思っていたが、案の定読みが的中したぜ!

それからは、感動の連続であった...

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