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Lucky thompsonを聴く [Jazz Album]

Lesterを聴くようになり、所謂中間派と呼ばれる人達も
少しは聴けるようになってきたような気がする。
このLucky thompsonもその一人。
昔、たばこを吸ってたこともあり、この人のLucky Strikeという
アルバムをジャケ買いしたが、全く耳の触手が働かず、すぐに売っぱらった記憶がある。
今聴いたら、結構聴けるんだろうな。
ベースにRichard Davis、ピアノはHank Jones。
1964年のRichard Davisといったら油の乗り切った状態だろうから、
それでIn A Sentimental Moodを演奏しているのだから。
それはそれは、良い演奏なんだろうと想像できる。また探そうかな。

RIMG0900.jpg

それで、こちらはLucky thompsonを聴ける盤のJO JONES SPECIAL。
スウィングなんて、今でも全く聴かないし、
ひと昔前ならこの手の盤には全く手を出さなかったのだけれど。
今では、小生がたまに顔を出すジャズ喫茶の店主がたまにLucky thompsonを掛けてくれるのだけれど、違和感なく聴けているのである。
やはり、世界中や自分の中は気がつかないうちに、変化しているのだろう。

このSPECIALでは、Lucky thompsonの渋すぎる演奏を聴くことができる。
特にバラードには痺れるね!
そして、Benny Greenも参加していて、特にEmbraceable Youではしっとりと良い演奏を聴かせてくれる。
Nat Pierceというピアニスト、あまり演奏を聴いたことがないが、
この人のバッキングがかなり聴いているようだ。
Lover Manでも良いバッキングを披露している。
この盤は、ネットを見ていても状態の良い盤が多い気がする。
Vanguardというレーベルは、BLUE NOTEなどとは違い、
これまで限られた人だけが聴いていたのかも知れない。
聴き込まれていない分、盤の状態が良いのではと推測される。
というわけで、上記2つのバラードをノイズの少ないレコードで
聴くことができるのは、この上ない幸せ。

こういうドラマーがリーダーのアルバムなんて、だどりつこうとしてもなかなか、
たどり着くことができない。
やはりLesterを聴くようになり、Lesterの盤のドラムで参加している人ということで
意識するようになったことが大きいと思う。
その流れで、このアルバムを見つけたという経緯。

RIMG0901.jpg

そして、聴いているもう一枚がこれ。
誰もが知るMilesのWalkin'。あの信号機のジャケのやつ。
Walkin'、何度も聴いていたんだけれど、いまいち耳に残っていなかったようだ。
先日、ちぐさでこれが掛かっていて、なんかいいなあと改めて思った次第。
そもそもWalkin’はコンピレーションアルバムなんだよね。
CDで聴いてた頃は、全く意識していなかったが、
皆さんご承知のことだろう。
内容は、1954年の4月3日と4月29日に録音したものが、1954年に10インチで二枚リリースされた。
その後、これら2枚をカップリングして、1957年にLPとしてリリースされた。
なので、オリジナルはどれ?というと当然10インチの2枚がこれに該当する。
10インチとLPと音を聴き比べたことがないので、どっちが音が良いか分からないんだけれど、
素直に考えると10インチのほうが音が良いと思われる。
が、PRESTIGEの10インチは特に「サー」とか「シャー」といういわゆるカゼを引いている盤に
当たるときがあるのでこのあたりが困りもの。
できることなら、「サー」とか「シャー」がない盤で聴きたい。
そんな中、手に入れたのがFrance Barclayの盤。
何年にリリースされたのか、discogsで見ても分からないんだけれど、
盤がFLATで溝があるので古い盤だと思われる。
PRESITGEの盤は、レーベルPRESITGEからリリースされた盤が本家本元でオリジナルなのだけれど、これにレーベルEsquireからリリースれた所謂UKオリジナルと呼ばれるものと、
レーベルBarclayからリリースされた所謂フランスオリジナルと呼ばれるものがある。
これらの3枚とも所有している方は、かなりのマニアなんだと思うんだけれど、
どれが音が良いかと言われると、こういう人しか、答えられないという状況なのである。
こういう人はなかなか周りにいない。
スタンパーが同じなので、音も同じだよという人と、
いやいやプレスの日時が違うので、マスターが違うでしょ。プレスの早いのが音が良いよという人といる。
今となっては、自分ですべて所有して聴き比べてみるしかないのである。
まあ、そんな聴き比べをできる時間とお金があったらの話なんだけれど、
なかなかできる人はいないよね。
聴き比べた方がいらっしゃいましたら、是非コメントをお願いします。

それで話を戻すと、PRESITGEの10インチは風邪ひきにたまに当たってしまうことがあるのだけれど、Baclayにはあまり風邪ひいたところを聴いたことがない。
なので、Baclay盤を見つけるとついつい手がでてしまう。
また、Barclayは音が良い!という先入観もあるのかもしれない。
それにジャケットが良いというのもある。
大体EsquireとBarclayのデザインのほうが概ね良いような気がする。

これがPRESTIGEで、

PRESITGE.jpg

これがEsquireで、

miles.jpg

これがBarclay。

barclay.jpg

それから、Barclayは枚数が少ないのか、珍しいというのがある。
好きな人は、これら全てを集められているようだ。
その労力には頭が下がります。

小生は、特に集めているわけではないのだけれど、たまたま見つけてしまったので
買ってしまったという感じ。
Barclayという文字に弱いんだよね。
それからFLATや溝という文字にも弱い。

なんだかんだ入手できたこの盤。
改めて聴いてみると、やはりJO JONESでのLucky thompsonの演奏とは全く次元の違う
演奏を聴いているかのような気がする。
SPECIALはその通りメンツもSPECIALなんだけど、
Walkin’は、Horace SilverにPercy Heath、Kenny Clarke、Miles Davisという偉大なミュージシャンとのコラボということで、やはり名盤に相応しいセッションを作り上げたようだ。

こう書くと、JO JONESファンに怒られそうだが。
けしてSPECIALが悪いというわけではない。
SPECIALは良い盤だが、Walkin’の演奏、特に4/29録音のこの2曲に関しては、
神がかった演奏になってしまったのだろう。
そして、miles自身のその後の人生をも大きく変えてしまうのである。
今回たまたまこの二枚を聴き比べてしまったので、こんな所感となったが、
中間派が好みかバップが好みかという、単なる好みの問題もあるかもしれないので、
悪しからず。

SPECIALが1955年、Walkin’が1954年の録音とWalkinのほうが先の録音であることも
記しておこう。

今回、これらの、二枚を聴いてみて、スウィングから中間、そしてバップへと移行してゆく中で、
目立たないけれど、このLucky thompsonというアーチストが一役買っていたということが
分かった気がした。

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UNICORN

このエスクアイア盤は輸入されたメタルを使用しているものなのでしょうか?コロンビア盤はアメリカからのメタル原盤を使用していますが、それでも音の感じは変わります、多分ビニールが異なっていることが最大原因、次にプレス方法(加熱温度と時間)だと想像出来ますが基本的に滑らか・・・・クラッシック派はEurope盤、Jazz派はアメリカ盤・・・・か!?
カットそのものが異なる場合は(小生の知る限り12インチのプレステッジ盤はEuropeカットです)は、それこそMasteringEngineerのJazz愛が大きく反映していますね!!
残念ながら御指摘盤小生持っていませんので、全て過去の経験(Jazz&クラッシック盤での差)に依ること了承下さい。
by UNICORN (2020-06-20 10:03) 

ハンコック

UNICORNさん
貴重なコメントをありがとうございます。
スクアイア盤やBarclay盤はどうなんでしょうね。
このあたりの情報には全く無知ですので。さっぱりです(悲)。
確かにコロンビア盤は、音がめちゃめちゃ良い盤と
そうでもない盤の開きが大きい気がします。
Europe盤とアメリカ盤では音に違いがあるということですね。
う~む。こうなりますと、やはりアメリカ盤が欲しくなってきます。
困りました。
小生もUNICORNさんのように、経験を重ねて
傾向を掴みたいところです。

by ハンコック (2020-06-20 19:54) 

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