SSブログ

ニューアイテム [音楽]

拙宅のレコードのクリーニングは、激落くんとデンターシステマを使った水洗いから始まり、激落くんを中性洗剤に変えた。
それから水道水のフィルターを導入し、拭き上げはクロスを使っていた。
GRFさんに超音波洗浄機を頂いてからはレコードのノイズが大幅に減り、ほぼ満足のいくコンディションになっており、今では超音波洗浄器を手放せない。
GRFさん、本当にありがとうございます。

洗浄自体は、超音波洗浄で申し分ないのだが、最後の仕上げにまだ一部問題がある。
仕上はクロスを使っているが、水分が僅かに残った状態でクロスを使い、水分と溝に残った僅かなゴミを一緒に取り除く必要がある。上手くいけばチリチリが無くなるが、失敗するど水分だけがとれチリチリが残る時があるのだ。
水分が少なすぎてもダメで、この場合も溝の中の僅かなゴミは取れないようだ。
逆にクロスが水分でベチャベチャになってもチリチリが残る時があることも分かってきた。
試しに、フィルター通過後の水道水で超音波洗浄し、そのまま乾燥してさせても、レコードを聴くとチリチリ言うのだ。これは、かなり細かなものまで取り除く拙宅のフィルターでも、フィルター後の水の中にはまた細かな粒子が残っており、それが溝に溜まっていると思われる。
蒸留水を使ってみるという選択肢もあるが試してはいなかった。
というのも超音波洗浄に蒸留水を使用しても数枚洗っていると、徐々に洗浄器内の水が汚れてくるからだ。なので最初の間に洗浄するレコードは良いが、後に洗浄するレコードは、汚れた水を使うことになってしまう。
こうなると蒸留水を相当な量準備する必要が出てくるので、あまり現実的ではないと判断した。

それで仕方なく、クロスでの拭き上げを職人の域まで極めるしか無いと思っていた。
上手く行く時はレコードがかなり綺麗になっていて、聴いても殆どチリチリしない。
しかし、失敗した時はチリチリが多かったりもする。
気温や湿度で仕上がり具合が変わってくることは分かったが、なかなかコンスタントに綺麗に仕上げられないでいた。
試しに、噴き上げをケルヒャーの窓ガラス拭きで試してみたが、まだクロスの方がマシだった。
このような具合だったので、仕上げに失敗した時は、再度レコードを濡らしてから改めてクロスで仕上げていたのである。

それでもノイズなしを100%とすると、従来80%くらいだったのを仕上げがうまく行けば95%くらいまで綺麗にする事ができた。
上手く行がない時は85%〜90%くらいだろうか。
しかし、ここの僅か5%〜10%くらいの違いが、スピーカーから出てくる音では大きな違いとなる。
ノイズがなければ、S/N良く演奏により集中でき、これがこの上ない感動に繋がるのだが、チリチリ言うとこちらが気になり演奏に集中できない。
開き直って聴いてる分には問題ないが、レコードのノイズを減らす方向に意識が向いている分、チリチリに敏感になっているため、余計にこれが気になるのだ。
気にならないようにするには、更に仕上げの腕を磨くしかない。
こんな思いでこれまで洗浄を続けてきた。
仕上げに失敗しても何度かやり直して、まあまあ綺麗にできるようにはなってきたと思う。

BD09286F-9359-4A44-B76E-101A25995166.jpeg

そんな中、最近レコード屋の店長と洗浄について話す機会があった。
うちは超音波洗浄だがレコード屋ではVPIを使っていると言うのだ。
運良く、手持ちのレコードをVPIで洗浄してもらう事ができた。
洗浄はVPIのレコードクリーナーにレコードの乗せ、クリーニング液で洗い、その後VPIのバキューム機能で汚れをクリーニング液ごと吸い取るというものである。
そして、バキューム後のレコードの音を聴かせてもらったところ、これがビックリ仰天。
チリチリが全くないのである。
レコードの洗浄は、超音波洗浄派とバキューム派に分かれており、それぞれ言い分があるようだ。
両方中には両方使われている方もいらっしゃるようだ。

バキューム派の中では、VPIはかなり有名だ。
名前を知らない人のほうが少ないだろう。
小生も名前こそ知ってはいたが、ろくな洗浄も出来ずにバキュームだけやっても意味ないんじゃないかと思っていた。
しかし、今回レコード屋さんで実際にVPIのバキュームを経験し、しかもレコード屋さんが使われているという事で説得力があった。
そこで直ぐにVPIのレコードクリーナーを探してみたところ、程度の良い中古品がオーディオショップに出ていたので迷わず入手。

早速、小生が苦戦していた最後の仕上げの部分にこのVPIのバキュームを使ってみることにした。
まず初めに、拙宅でこれまで何度か洗浄し、僅かにチリチリがあるレコードを数枚準備した。
これらを一度超音波洗浄した。
超音波洗浄後のレコードをVPIのバキュームにかけてみると、あっさりとチリチリが無くなったではないか。
これまでの自分の苦労はなんだったんだろう。
こんなにあっさりと綺麗になるとは。
これまで、僅かにチリチリしていた部分がほぼ無音に。
職人の域までクロスによる拭き上げの技を磨く必要もなくなってしまった。
従来のクロスによる手作業では頑張っても95%くらいだったものが、97%くらい下手すると99%くらいにはなったのではないだろうか。
これでもチリチリする部分は元々ある傷やスレだと思われるので諦めるしかない。

F0135CC4-4A6E-475D-9165-2CED399A00F4.jpeg

という具合で、今後はクロスによる職人技を磨くことは諦めて、VPIに頼ろうと思う。
これまで頑張って洗浄したレコード達も改めて洗浄し直しているところである。
まだ手順の見直しが必要かもしれないが、今のところは、以下の手順にしている。
(1)中性洗剤とデンターシステマのフィルターした水道水による洗浄。
(2)超音波洗浄器と超音波洗浄液による洗浄。
(3)フィルターした水道水での濯ぎ。
(4)VPIによるバキューム

そう言えば、レコードの洗浄を始めた当初、激落くんだとチリチリが残り、これを中性洗剤に変えたらチリチリが無くなったと思っていたが、恐らく激落くんの時の仕上げが悪かったのではないかと思われる。
今、激落くんを使うと恐らくチリチリ言わないのではないかと思う。
まだ激落くんが残っているので、近いうちにこの辺りも試してみようと思う。

というわけで、従来より更にS/Nの良いアナログサウンドを実現できた。
もう超音波洗浄器もVPIも手放せなない。
nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:音楽

nice! 4

コメント 4

UNICOR

殆どのLPフリークの方はこのLPクリーニングと音の関係(ノイズが無くても)を認識&実感していないようです、小生の周りでも1-2名です、それも5-6年様々なクリーニング方を経験して初めて真実に近づいた方ばかりです。いずれにせよ漸く山の頂上ですね!!

by UNICOR (2022-06-17 08:48) 

seibo

VPIすごいですね!試して見たくなりました!

by seibo (2022-06-17 19:32) 

ハンコック

UNICORNさん
こんばんは。
レコードの洗浄を本格的に始めたのが昨年の9月でしたので、およそ9ヶ月ほど掛かりましたが、ようやくここまでこれました。
何年もかけて今回のようなことを発見された方もいらっしゃるのですね。
オーディオは、ある意味孤独な趣味でもありますから、一人で試行錯誤して高みを目指すにはかなりの時間が掛かりますね。
小生は、洗浄に対してかなり真剣に取り組んできたことは事実ですが、それでも1人でやっていたらもっともっと時間がかかったと思います。
仕上げのチリチリのところについては、この半年後くらいは仕上げの技磨きに没頭してきましたから。
レコード屋の主人と話さなかったらもっと技磨きをしてましたよ。
またレコード屋の主人だけではなく、皆さんからヒントを沢山頂けましたので、こんなに早くここまで来ることができました。
皆さんには本当に感謝しかありません。
ダメにした高額盤もありますが、その経験無くして先はありませんね。
ようやく納得のいく洗浄ができたところですので、もっともっとレコードを綺麗にして聴き込んでいきたいです。
これまで見えなかった演奏風景が見えたら良いなと思っております。



by ハンコック (2022-06-17 20:24) 

ハンコック

seiboさん
こんばんは。
いらっしゃった時には、手持ちの洗浄したレコードをお聴かせしますね。
多分、SEIBOさんは面倒臭いと思われると思いますよ。
洗浄もちゃんとしないと意味ないですし、それにVPIは結構な値段しますので。

by ハンコック (2022-06-17 20:31) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。