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廃盤セール [廃盤セール]

Lester YoungのThe Presidentから、Stardustで長い1日が始まった。
この曲を聴いているのは始発電車の中。
窓の外は、夜が明け始めている。
やがて50歳になろうとしている体に鞭打って、
起きてきたが、やはり体はきつい。
今日行われるレコードセールの事で、一昨日からソワソワしだし、
昨日は一日中、セールの事で頭がいっぱいだった。
お陰で一日中、テンションが高かったのだが。
遠足に行く前夜の子供のように、目が覚めて眠れず。
うとうとしながら、結局3時には目が覚めた。

今こうして、Lesterを聴くようになるまで、レコードを
聴き込んできたが、まだ欲しいレコードはある。

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セールに伴いお店のBlogにUPされた画像に、
皆久々にテンションが上がった事だろう。
J.R MonteroseのIn Actionが出品されたからだ。
ここ数年出てなかった。
世界で250枚しかプレスされていないと言われている幻の名盤だ。
マクリーンのAdlib盤も少ないと言われているが、
小生が見たところでは、In Actionの方が見た回数は少ない。
小生の記事を見返していたところ、2012年に30万で出ていた。
一連のBLUE NOTEの高騰などを考えると、
今回は片手で数えるくらいの価格になるのではないかとの噂であった。
流石にこのクラスの盤を入手出来る人は、ほんの僅かであろう。
小生のような一般サラリーマンでは手が出せる代物ではない。
分かってはいるが、釣られてジャズファンはレコード熱が上がってしまう。
悲しいものだ。

小生も各店の出品情報に目を通した。
もうなかなか欲しい盤は少なくなってきたが、
御茶ノ水に一枚と、吉祥寺に二枚ほど欲しい盤が出ていた。
この中で一番欲しい盤のあった吉祥寺に並ぶことにした。
横浜から吉祥寺は遠い。
普段は渋谷で井の頭線に乗り換えて行くのだが、
今日は一番早く着くように、東京駅周りで行った。

そして、神田で乗り換えて四ツ谷を過ぎた辺りで、
電車が急ブレーキ。誰かが非常ベルを押したのかなと
頭をよぎった瞬間、車内アナウンスが。

信濃町に入る時に人が電車に飛び込んだようだ。
「この電車で人身事故が発生しました。」というアナウンスだった。
いつも聞くアナウンスと同じだったので、実感があまり湧かなかったが、
自分が乗っている電車が人を跳ねたのは、人生初であった。
「この電車は暫く停車します。」とのこと。
それからしばらく待っていると、車内にでられるアナウンスがあった。
先頭車両がホームに入っていたため、先頭車両の一番前の窓から後車ができるようだった。
しかし、先頭車両で人を跳ねているはずなので、
下手すると遺体を目撃するかもしれない。
そう思うと何だか気分が悪かった。
息を止めて、電車の先頭に目を向けないように、
そそくさとホームからエスカレーターを登り改札口を出た。
すると改札の外から複数の警官が走り込んで来るところだった。
また、消防車がデカイサイレンを鳴らしながら集まってきたところだった。
パトカーも数台見える。

さて、どうしたものか。
ここから吉祥寺まではかなりの距離ある。
レコード1枚のためにタクシーで行くのもなぁ。
でも電車は間違いなく1時間は動かない。
頭の中は、怒りとイライラでパンパンになっていた。

事前の情報では、小生が狙っている盤は、状態は特に良いというものではなかった。
でないと言っても5年に1枚くらいは出ているし。
まあ、諦めて、御茶ノ水にでも行くか。
こう思い直し、御茶ノ水へ行く事に。

なんとか御茶ノ水に着くと6番乗りであった。
御茶ノ水で欲しい盤は、間違いなく壁にはない。
今回のようなセールの時では、かなりのお客さんが一斉に
レコードの棚を漁るので、入手出来ない確率のほうがかなり高い。
それでも6番手なので、もっと後に比べれば、少しは確率は上がることだろう。

顔見知りの方が何人かいらっしゃった。
だいたい並ぶ人はいつも同じ顔ぶれなのだ。

レコードの話をしながら、お店の外で待った。
7時からは、お店の中を開放してくれて、
冷房の中で待つことができた。
これは、かなり有りがたかった。

今回は9時に整理券が配布されたので、それから2時間、
tempo_collecterさんとYさんと三人でお茶しながら待った。
お二人とも筋金入りのコレクターなので、いつも有力な情報を頂ける。
ここでのひと時が、とても楽しく、あっという間に2時間が経過した。

そして開店。
In Actionは、皆の予想を遥かに上回り、なんと59万であった。
筋金入りのtempo_collecterさんとYさんは、
すでにIn Actionをお持ちなのだ。
お二人とも高騰するはるか昔に購入されている。
やはり昔はいい時代だったのだと思い知らされた。

残念ながら、開店して数時間、誰もIn Actionに手をつけなかった。

それで、肝心の狙っていたHoward Mcgheeの盤は、何とか入手できた。
思ったより状態も良くかなり満足した。
一度手放したのだが、Phineas Newbornのピアノが聴きたくなり、
また狙っていた。

それから関内まで行き、何枚か残っていた盤を漁っていたら、
MobleyのSAVOY盤が出てきた。
状態もかなり良く、ジャケも綺麗だったので入手した。

という訳で、長年セールに足を運んでいると、
色んな事がありますね。
今回は小生が乗った電車が人身事故を起こし、
目的地に着かないというハプニングが有りましたが、
年に1,2回しか会わないコレクターの方々ともお話ができて、
思いがけない良い盤も入手できて、
結果的には満足のいく結果になりました。

あとは年末まで、打ち止めですね。
ではまた。
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