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全身全霊をかけたオフ会 [音楽]

久しぶりの更新。

昨年の今頃からアナログの調整を入念に行ってきて、
もう一年も掛かってしまった。
先輩方のアドバイスを受け、カートリッジやフォノイコやトランスを
色々と試し調整し、なんとか歪みを取れるところまではきた。
最内周でも歪まないところまではきたが、
若干の内周の方が音が渇いたような感じは否めないが、
それでも良い音ではなっていると思う。
また、watt3puppy2をバイアンプ駆動にしたことで、
watt3の低域の部分の音が出るようになり、
中低域の量感も以前に比べると良く出るようになった。
やっとここまで詰めることができたなと、
自分ではかなり納得の行く音になっていた。
そんな中、チューバホーンさんから拙宅でのオフ会のお誘いがあり、
お受けすることにした。
かなり入念に追い込んできたし、自身もあったので、
さぞかし皆んなが驚くであろう姿を想像しワクワクしていた。
それでも、凄耳の方々なので、緊張はしていたが。

そして当日、オフ会が始まった。
当日はチューバホーンさんとtaoさんと私の3名。
部屋が狭いので、マスクを付けたままでの短めのオフ会となった。

taoさんがセンターにお座りになられていたので、
まずはクラシックから掛ける。
以前はこじんまりとしていたが、今回は空間も広くなり
良くなっているようだ。
まあ、小生はクラシックは殆ど聴かないため、
聴きどころなども分からないため、良いのか悪いのか判断がつかないのである。
まあ、以前より良くなっているようなので、良かったが。
続いて、チューバホーンさんが良くお聴きになられているであろう、
JPOPを掛ける。
ユーミンに続いて、イルカを掛けた時だった、
「何だか、ボーカルが奥に引っ込むね。」と。
自分ではとくに違和感なかったのだが、チューバホーンさんは、
違和感を持たれたようである。
このイルカの盤はライブ盤で拍手音も入っている。
この拍手音もどうも聴こえ方がおかしいようだ。
チューバほーんさんは、小生がバイアンプ駆動にしたとき、
どうもヌケが悪く、良い音が出なかったので、
puppyを逆相にしていることをご存知だ。
そこで、まず、SD05のセレクターを回して、puppyの音を切って聴いてみようということになった。
勿論、自分では既に試していることなので、
puppyなしのwatt単体のほうが質感など良いに決まっている。
問題はpuppyを鳴らして低音も出したうえで、どれだけwattの魅力を残れるかが、キモなのである。
pyppyを切って鳴らしてみると、taoさんもチューバホーンさんも、
こっちが良いねとの応答であった。
ここまでは想定していた。
問題はこの先である。

では、ここでpyppyを正相に戻して鳴らしてみよう。
と言うわけで、pyppyを正相にしてpuppyを鳴らしてみることに。

これも既に小生は実現済みで、抜けが悪くなりボーカルの音が潰れる。
こうなるであろうと思い、puppyも鳴らしてみると。
「あれ!?」
ボーカルが死んでない。
何で!?
チューバホーンさんも、taoさんも、ボーカルが死んでないと仰っている。
これじゃ、小生のダメ耳で、わざわざ音の悪い逆相にしましたって
証言しているようなものではないか。
なんだか悔しくなってきた。

このままの勢いで、puppy正相、watt逆相も試してみたが、
watt正相puppy正相の組み合わせが1番良かった。
と言うわけで、小生の良いと思っていたwatt正相、puppy逆走ではダメだったというわけだ。

しかし、どうも腑に落ちない。
小生が試した時は、puppy正相だとボーカルが死んでしまい、
ヌケは悪かった。
でも今聴いているこの音は間違いなくヌケも良くボーカルも、死んでない。

なんだか、悔しさと敗北感がこみ上げてきた。
が、このまま、オフ会は続く。

この後も何枚かボーカルものを、掛けながら、
pyppyの音量を調整してみることになった。
現在puppyを駆動しているSD05のボリューム位置は、
10時半くらいか。
チューバホーンさんはこれを9時まで下げてみようと仰る。
ここまで下げて低域の量感が減るのは嫌だなあと思ったが、
下げてみることに。
すると、音に艶がでて更に良い音になってきた。
更にSD05のアナログ入力をA2からA1に切り替えてみようとおっしゃる。
SD05のアナログ入力は2系統あり、A2のほうがゲインが高い。
またSD05はボリューム位置は9時より下げない方が良いとのセオリーがある。
このため、ゲインの低いA1に接続して、ボリューム位置を上げるのである。
勿論同じ9時では先ほどに比べるとpuppyの音量は少なくなっている。
しかし、結果は艶も出てきて1番良い音が出てきた。
これで、一旦は落ち着いた。

次にフォノイコをUESUGIに変えてから聴いてもらうことに。

すると、みんなビックリ。
あまりの世界の変わりように驚いたのであった。
自分では、クラシックやjpopやボーカルものはEA-5で、
古いジャズはUESUGIかなと思っていたが、
taoさんは95対5でUESUGIの圧勝と仰っていた。
これ以降は、UESUGIで手持ちのジャズの盤を掛け、
最後に吉田美奈子でお開きとなった。
サキコロにエキサイトされたtaoさんと、
吉田美奈子をお聴きにならまだりながら、メチャクチャ良いじゃんと連呼られていた
チューバホーンさんの姿が目に焼き付いております。
小生としては、冒頭からメチャクチャ良いじゃんの連呼を聴けると
想定していたため、敗北感と悔しさで、
テンションはダダ下がりのオフ会となってしまったが、
最終的な音がメチャクチャ良かったので、まあ良しとしよう。

しかし、一年を掛けて調整してきて、万全の体制で臨んだオフ会だったが、
想定外の結果に、めちゃくちゃ悔しさが残り、テンションは下がったまま。
ここ10年くらいで、一番悔しい。ホント、めちゃくちゃ悔しい。

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あれから、月曜、火曜とイマイチテンションが上がらなかったが、
やっと昨日からまた復活。

位相のところについて、回想してみた。
以下はSYSTEM5の仕様だが。watt3puppy2もこれに近い周波数特製を持っていると考えられる。

■PUPPY-5の仕様
使用ユニット 低域用:20cmコーン型x2
インピーダンス 4Ω
周波数特性 28Hz~125Hz +0 -3dB
出力音圧レベル 91dB/W/m
最少推奨パワー 50W
エンクロージャー ポート
外形寸法 幅285x高さ610x奥行406mm
重量 37kg

■WATT-5の仕様
使用ユニット
低域用:17.5cmコーン型
高域用:2.5cmドーム型
インピーダンス 4Ω
周波数特性 55Hz~21kHz +0 -3dB
出力音圧レベル 91dB/W/m
エンクロージャー ポートQB-3
外形寸法 幅285x高さ356x奥行419mm
重量 28kg


また、クロスオーバーは公開されていないが、
wattとpuppyのクロスオーバーは、
100~150Hz程度ではないかと言われている。


当初は、バイアンプではなく、
watt3puppy2の内部ネットワークを使っていた。
物凄い重低音が出るが、ジャズに肝心のベースやタムやスネアといった楽器の
音圧や量感が薄いと感じていた。
これは、ネットワークにより、watt3の下側の周波数を
100-150Hzでカットしており、watt3puppy2の3wayとして、
帯域はフラットになり、かつ広くなっているが、
肝心なwatt3の下側の150Hzから下の部分が、カットされている分、
聴感上、量感の物足りなさを感じていたと思われる。
同様にpuppyの、上側の周波数帯もカットされていたため、
100Hzよりも、上の部分で不足を、感じていたと思われる。

これらのリミッターをバイアンプにより外したことで、
不足気味だった中低域の量感も以前よりは感じられるようになった。

しかし、もう今一歩量感の欲しい、小生は、
ここでpuppyのボリームを上げることで対処したのであった。
今振り返ってみると、ここが大きな間違いだった。

更なる量感欲しさにSD05のボリリームを1時くらいまで上げた。
どうしても量感のためにボリュームを、上げると
wattと、pyppyの帯域が被りヌケは悪くなる。
なので、どこまでも上げるわけにはいかない。
この状態で、なかなからヌケの悪さが取れないので、pyppyを逆相にしたところ、
ヌケが良くなり良くなったように聴こえていた。
また、SD05のボリュームもあまり上げたくなかったので、
ゲインの高いA2を、わざわざ選択し、ボリュームを下げていた。
その上で。なんとか音の被らない所を探して、
10時半と言うボリューム位置を決めていたのだ。
pyppyを入れると、ヌケはwatt単体よりもどうしても悪くなってしまうのは仕方ない、
どこまで許せるかの微調整かなと思っていた。

しかし、今回のオフ会を通じて分かったのは、中低域の量感を出すのは、
puppyの上の帯域ではなく。wattの下の帯域だと。

こうすることで、SD05のボリュームはA1接続の9時頃で良く、
全体としてのヌケが良くなる。
pyppyを正相で、繋いでもヌケ良い音が出てくる。
という結果になったのであろうと、思われる。

良く良く考えてみると、altecやjblでもクロスオーバーのことは、良く出てくるが、
ホーンをメインに音出しされている。
あれと、同じ考え方かな。

というわけで、今puppyに、耳を当てて聴いてみると、
全く音がしない。
しかし、pyppyがないと、佇まいとか気配といった
ものを、感じられないのだ。
GRFさんが以前に記事にされいらっしゃったが、
その通りの結果となった。
流石先人の方のやってらっしゃることは、やはり意味があり、
奥が深いですね。
今回チューバホーンさんに、指摘して頂き、また調整もして頂き、
脱線していたものの軌道修正ができました。

自分でできなかたことへの悔しさは残りましたが、
これでまた一つ一歩先へ進めた気がします。
チューバホーンさん、taoさん、
今回もありがとうございました。

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GRFのある部屋

ハンコックさんの、自信と悔しさがよくわかる正直な記事に感銘を受けました。家でもSD05を使って、最低域だけを大山さんのTW5で50Hz以下だけをならしている調整に数値的にもぴったりで、音の様子がよくわかります。チューバホーンさんが来られたとき、その音の構成と調整方法をご説明してあるので、凄耳のチューバホーンさんの的確なアドヴァイスで、良くなった様子もよくわかります。

2ウェイでは殆ど気にならない位相の問題は、3ウェイになると一挙に難しくなります。特に12dbで合わせている場合は、位相の問題は避けられません。

SPの調整は、レコードが再生のメインでも、CDのモノラル盤を使って調整されるのが確実だと思います。また聞かせてください。


by GRFのある部屋 (2021-06-24 14:26) 

チューバホーン

ハンコックさん、先日はお世話になりました。
今回も貴重なレコードをお聴かせ頂きありがとうございました。
 アナログ休止中の身ゆえ、とても刺激的な一日になりました。
デジタルソースになるとどんな音で鳴るのか興味津々です。またよろしくお願いします。
by チューバホーン (2021-06-24 15:03) 

ハンコック

GRFさん こんばんは。
watt3だけにした時、その音のクオリティの高さに
自分でも驚かされました。
このクオリティを落とさずにpuppyを鳴らそうとすると、
その調整は困難を極めるということが今回の一連のバイアンプ化で、
良くわかりました。
またそれぞれのユニットの位相差までを、
合わせるとなると、位相があっていることを確認するためのソースと、
位相が合っていることをイメージしなければなりませんが、
この辺りにつきましても、いろいろとコツを教えて頂こうと思っております。
また、今回の一連の調整において、チューバでさんとお話をする中で、
耳も大事だけれども、論理的なまた数値的な分析や考察も大事なんだなと教えて頂きました。
この辺りについては、知識や、経験が小生にはまだまだ遠く及ばないのだなと思いました。
しかし、調整後の音はかなり良い音でなっていましたので、
その他の調整はした甲斐はあったのかなと思っております。
チューバホーンさんやその先を行かれている
GRFさんにはまだまだ遠く及びませんが、
着実に後を追って良いサウンドを奏でたいと思います。
引き続き、お付き合いのほどを宜しくお願いいたします。

by ハンコック (2021-06-24 21:39) 

ハンコック

チューバホーンさん
先日は遠いところをありがとうございました。
一連の調整において、チューバホーンさんの
引き出しの多さに感服しました。
経験や知識、何より良い音を鳴らしていらっしゃる方々との
交流も大事だなと思いました。
また、かなり音が良くなったと自分では納得いっていても、
皆さんは更に良くなる術をお持ちなのですよね。
やはり、皆さん、年季がちがいます!
小生も皆さんとの交流を通じて、音が確実に良くなっていることを
実感しております。
今後とも宜しくお願いいたします。
by ハンコック (2021-06-24 21:52) 

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