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チューバホーンさん宅にお邪魔しました。 [オーディオ]

先日、チューバホーンさん宅にお邪魔してきた。
前回お邪魔したのは、今年の3月。
コロナが感染爆発するちょっと前のこと。

https://watt3pappy2.blog.ss-blog.jp/2020-03-08-1

この時、改めてDSD5.6MHzの器の大きさ音の良さに驚いたわけだが、DSD2.8MHzの音にはあまり関心できなかった。
DSD2.8MHzといえば、SACDに入っているデータが丁度これと同じ。

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今回、このSACDの音を聴いてみてという事で、お誘い頂きました。
手持ちのSACDが有れば持参くださいとのことだったので、CDラックを確認してみた。
小生も遥か昔、SONYのSCD-1という当時としてはなかなか良いプレーヤーを所有していた。また様々なお宅でSACDを聴いていたが、いまいちCDにちょっと毛の生えた程度の音で、
奴気になり盤を集めるには至らなかったのである。
なので、1,2枚持っているかいないかと思っていた。
ない盤を探してみると、何枚か出てきた。
もう20年近く前に購入した盤。
この中から、
Diana Krallのlove scenes
Jacintha Here’s to Ben
ヒラリーハーン バッハ ヴァイオリン協奏曲
と、オーディオマニア御用達の3枚を持って行くことに。
この三昧なら耳にタコができるほど聴いているので、音質チェックにもってこいなのである。

そして迎えた当日。
まず最初にベートーヴェンのピアノソナタを二枚聴かせて頂く事に。
まず1枚目。
お〜お、のっけから物凄い音がしてきた。
音が物凄く柔らかい。
これは、遥かにオーディオの域を超えた音がしているのではないか。
フォルテッシモでもピアノ音が飽和せず、ガツンとくる感じを残したまま、上手く音が消えてゆく。全く煩さがない。
そして、一つ一つの音に奥行き感があり、音に立体感がある。まさに演奏会場でピアノの演奏を聴いている感じがする、
これだよこれ。オーディオの域を越えたとは、こういうサウンドのことを言うのかもなあ。
こう心の中で呟きながら、じっと演奏に聴き入っていた。

もう10年以上前に、とあるお宅で、ディナウディオのフラッグシップをスペクトラルのプリ、パワーで聴かせて頂いた事がある。
これが、小生のオーディオ人生の中で最高のサウンドだった記憶がある。
広大なサウンドステージの中にポツリと浮かぶ、ソプラノの歌声。
当時はこのようなサウンドをオーディオで再現でいさきるのかと心底驚いた記憶がある。
あのサウンドは今なお、鳴らし方の一つの指針になっている。
無論、ディナウディオのフラッグシップやスペクトラルのプリ、パワーなど入手する資金もないし、鳴らす部屋も無いため、自分でこのサウンドを出すのは無理な事なのだが。

そして、今日、チューバホーンさん宅で聴いているサウンドは、環境は異なるが、まさにあのサウンドを彷彿とさせる。
これは、後でソプラノも聴かせて頂がないとなあ。

そして2枚目。
こちらは、一聴してPCMの音がした。
奥行き感はなくピアノのフォルテッシモは煩くて、ちょっときついなあ。音は平面的。
必死さは伝わってくるのだが。
1枚目の演奏が先生だとすれば、こちらは生徒さん。そんな印象。
う〜ん、こらは断然1枚目の音が好きだなあ。

一通り2枚を聴き終え、チューバホーンさんは、横浜のvafanさんと小生に、どちらが良かったかを質問された。
すると横浜のvafanさんは、2枚目が良かったそうだ。小生は断然1枚目と答えた。

そして、今聴いた2枚は、こちらとのこと。

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1枚目は、河村尚子の演奏。
2枚目は、20世紀最高のピアニストの一人とされるリヒテルの演奏。
だったそうだ。

あっちゃ〜。
河村尚子が先生で、リヒテルを生徒さんといつちゃったよ〜(笑)。
これは、一本取られましたな。
無論、詳細にクラシックの音楽センスを問われるのが無理な話なのだが...


リヒテルの盤は、
3chオリジナル・アナログ・マスターを稀少なアンペックス社製デッキで再生した上でリミックスし、DSDマスタリングでSA-CDバイブリッド化したとのこと。
SACDなのだそうだ。
負け惜しみで言うなら、
これで、SACDか〜。
3chをSACDにするにはちょっと無理があるかな〜(笑)。

この二枚で、音楽を聴いてるのか音を聴いているのかが分かりましたな。
そう、小生は音を聴いておりました。
最近では、完全オーディオモード。
音楽よりもアナログの歪みとか気になり、
かなり分析的になっております。

いやあ、チューバホーンさん、良く考えられた、なかなか面白い選曲をされますね。 
こういうのがオフ会をやっていて面白いなあと思うところです。

さて、SACDの本領が分かったところで、次の曲を。

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五嶋みどりと今井信子のモーツァルト。
これは、かなり良かった。
ヴァイオリンやヴィオラの質感が、これまで聴いたことのあるPCMの音とは明らかに異なる気がした。
ここま表現豊かなヴァイオリンの響きを聴いたことがない。これならオーディオという装置を飛び越え、
演奏に集中できる。
DAD2.8MHz相当の情報量なのだが、ここまで出れば演奏のニュアンスは手に取るように分かるため、これ以上のデータ利用は不要なのかもしれない。
こう思った。

次は、ヒラリーハーン。
これも、これまで聴いたことのないハーンの演奏であった。
ここまで表現していたのかと再認識できた。
これまでのPCMでは、演奏者側が意図した表現の半分ほどしか表現できていなかったのでは?と思ってしまうほど。
これでは、必死で演奏者が表現しようとしたものが、十分に聴き手に伝わらない。
これが、DSDの出現により、十分伝わるようになってきたのである。
良い時代になりました。

次は、オッターの盤。

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丁度ソプラノを聴いてみたいと思ってましたので、これは嬉しい選曲。
この盤は、今日聴いた中で1番良かった。
歌声が、歌手の表情まで手に取るように伝わってくる。
ここまで歌っている姿を表現できるとは。
これは凄いです。
恐るべしSACD。
ここまでの再生をオーディオ人生で経験したのは、先のディナウディオと今回の2回だけのような。
この音は恐ろしい。

小生がこれを超えるには、アナログをもっと追い込まないと無理だな。

その後、vafanさんと小生が持ち込んだ盤などを聴かせて頂いた。

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中でもPIRESとABBADOのモーツァルトの盤は、良かった。

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小生の持ち込んだDIANA KRALLのLOVE SCENESは、PCMとは全く鳴り方が違っていた。
今や押しも押されぬクリスチャン・マクブライドのベースが、中央に集まり、立体的で輪郭があるように聴こえる。
音一つ一つに奥行き感がある。
ここまでちゃんと録音されていたのだなあと感心した次第。


いよいよ最後の曲となった。
出てきたのは、なんと吉田美奈子のトワイライトゾーンのSACD。
なに〜。やられた〜。
こんなSACDを準備されていたとは。
実はこの盤、先日ブログに書いた通り、
拙宅でなかなかよくなるので、近々横浜のvafanさんにお聴かせして、驚いて頂こうと目論んでいたのだ。
その矢先、このSACDが出てきてしまった。
やられた〜。
こらは、チューバホーンさんに一本取られました。
そして出てきた音は、う〜ん、かなり濃い音。
うちのレコードとは大分音が違う。
うちのLPは再発かな?
こんなことを思いながら聴いていた。
しかし、どうも空間がいまいち出ていないような気もする。
ちょっと心に引っかかったままだったが、
後で調べてみると、バーニーグランドマンというエンジニアによるリマスタリングがなされているようだ。
バーニーグランドマンという人、有名なエンジニアで80年代のユーミンなども担当したようだ。
この辺り、エンジニアによる思考の違いなのかなと思った次第。

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というわけで、吟味させた多くのソースを聴かせて頂き、SACDの凄さを体験する事ができた。
やはりPCMとDSDでは次元が違うのだなあと再認識できた。
また、今回は前回お邪魔した時にあまり関心できなかったDSD2.8MHzのデータの入ったSACDでもものすごく良い音がする事が分かった。
問題は質の良い盤を探す事。
まだまだDAWの段階においてはDSDのデータを修正するのが難しいと聞く。
なので仕方なくPCM上で修正させている事も多いのであろう。
そうなると、本来録音されているDSDの情報が十分に活かされない。
今回のように鳴らす方の環境が良くなると、制作側の音質をモロに影響を受けるようになる。
今後はDAWの環境のネックがなくなり、
質の良いDSD音源が出てくることを願うばかりである。

オフ会終了後、美味しい焼き鳥屋さんにいって、感想会となりました。
4時間ほど話し込んでいたような気がする。

いやあ、今回もまたオーディオ熱を上げて頂けました。
デジタルであそこまで鳴らさせると、拙宅にお呼びするまでには、まだまだ調整を追い込まないとならないなあ。

チューバホーンさん横浜のvafanさん今回も貴重体験をさせて頂き、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いします。


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チューバホーン

ハンコックさん、今回も遠いところお出かけいただきましてありがとうございました。
8年ぶりにSACDを始めたのは、前回のハンコックさんにご持参いただいた「DSD」のファイル音源がきっかけでした。
 そのころはCDもだいぶ良く鳴るようになって来たなあと思っていたころでしたので、ご持参いただいたDSD5.6の音は器の違いといいますか、役者が違うと言いますか別次元の再
生音に驚いたことは今でもはっきり覚えています。
 また、今回のオフ会の詳細なご紹介ありがとうございました。お二方それぞれの壺お抑えることは出来たんじゃないかと思ってます(笑)
by チューバホーン (2020-09-02 19:49) 

ハンコック

チューバホーンさん こんばんは。
きっかけがあの時のDSDだったとは、嬉しいお話です。
確かにDSDファイルを持っていった時の音もまた凄かったですからね。
あそこまで調整をされてたので、あの音がして出てきたわけですので、やはりチューバホーンさんの音のまとめ方が上手かったと言うことですね。

今回のあのサウンドはアナログのうえを行ってますよ。
拙宅にお呼びするのに、またハードルが上がってしまいました。
困りました。
でも、なんとか調整して、こにらも更に上を目指しますよ(笑)!
by ハンコック (2020-09-02 20:22) 

横浜のvafan

ハンコックさん、こんばんは。

長文レポートお疲れ様です。ハンコックさんの当日の興奮の様子が表れていますね。アナログ越えですか?確かにそうとも言える、素晴らしサウンドでした。

さっそく、リヒテルと尚子さんのソナタ、それに今井さんと五嶋さんの協奏曲をオーダーしました。CDですから無理は承知ですが、入手が楽しみです。

ハンコックさんのDSD音源も、是非聴かせてください。


by 横浜のvafan (2020-09-03 22:04) 

ハンコック

横浜のvafanさん おはようございます。
先日は、お疲れ様でした。
やはり入手されますか、良い盤ですからね。
DSD再生も本格的にやりたいところなんですがなかなか。
LUMINを狙ってはいるのですが、懐具合と
今はアナログの調整に嵌ってしまっているので、
まだまだ先になりそうです。
今度拙宅のDSD音源をお持ちしますね。是非聴かせて下さい。
また、こちらのアナログの調整がもう少し上手くいきましたら、
お呼びしますので。
吉田美奈子を是非聴いて頂きたいです。
それでは、引き続き宜しくお願いします。
by ハンコック (2020-09-04 05:43) 

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