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奈落の底へ 続き [アナログ調整]

続きの前に。
先日のサキコロが落札された。
なんと50万を超えていた。
落札したのは、落札価格、取引回数から見て、
恐らく海外向けの転売業者だろう。
その先には、中国の富裕層などがいるのだろう。
こうなると、もう何も言うことはない。
こうして、今後は日本からどんどんオリジナル盤が中国に流れ、
もう戻っては来ないだろうな。骨董と同じような道を歩むのだな。

手持ちの盤も、手放したらもう入手するのは難しいだろう。
今は運良く手元に何枚かあるが、これもいずれは中国に渡ってしまうんだろうな。
所詮刹那的な物。
今聴けることに感謝しつつ、このサウンドを記憶の奥底に深く刻んでおこう。

さて、奈落の底へ真っしぐら。
なかなか這い上がれずにいた。
やっとプラッターの水平が取れてから、2週間ほど経ったか。
この間、アジマスの調整を行なっているが、このアジマスの調整もまた曲者で。
それで、まずアジマスの調整を行う上で、基準がブレないように、
アームを水平にした。
少し後ろを上げたりして調整もするが、ここはまずは水平にした。

理屈的には、プラッターの上に乗せたレコードと、針先がきっちり垂直になっていれば、
極めて良い音が出てくると思っているのだけれど。
なにせ、針先はMONO専用針でも1milなので、0.025mmか下手するとそれ以下の極小の世界である。
これを水平器という単なるアクセサリーを使い、高い精度で垂直を出そうとしているのだから無理もない。
水平器は、せいぜい±1.25mm/1mの精度くらいだろうから、10cmほどの長さの水平器なら、
単純に考えても0.1mmの誤差しか測れないことになる。
そうなると、水平器でおおよそのところを合わせて置いて、
あとはトライ&エラーで、耳に頼よって良いところを見つけるしかないのかもしれない。

ただ、おおよその所を、どれだけ正確に近づけられるかが鍵だろう。
どんなにトライ&エラーを繰り返しても、おおよその位置が狂っていたら、
良いところにヒットはしない。

これまで、アジマスの調整は,プラッターの上に水平器を置き、気泡の傾き具合をメモる。
次に、この水平器をシェルの上に置き、気泡の傾きが同じになるように合わせていた。
これでかなり合っていたように思うのだが。
しかし、最近では、そもそもプラッターの上に水平器を置いた状態と、
シェルの上に水平器を置いた状態とでは、プラッターにかかるウェイトのバランスが同じなのか
疑問に思うようになってきた。
ORACLEのDELPHIというプレーヤーは、プラッターとアームは、同じスプリングの上で一体化している。
一体化した状態で水平のバランスをとっているので、
この状態で、プラッターの上に水平器を置けば、
プラッターは、水平器を置いたところに水平器の重みが加わる。

一方、シェルの上に水平器を置いた場合は、シェルはアームと一体化しており、
アームの軸は水平器を乗せたシェルの位置とは大きく異なるアームの根元にある。
なので、このアームの軸に重みが掛かることになる。
この軸は、プラッターやアームを固定するフレームに繋がっているので、
この水平器の重みがフレームを伝わり、またプラッターにも影響すると思われる。

結果、プラッターの上とシェルの上とでは、水平器の重みが影響する場所が異なるのだから、プラッターのバランスの異なる事になり、このアジマスの調整ではあまり意味がなさそうに思える。
と、もう理屈を考えれば考えるほど、どんどん深みにはまってしまった。

ここまでで、考えが行き詰まり、水平器での調整は余り意味がないかもしれないと諦めた。
そして、もう一つの方法である、水平器に刻まれた水平と垂直の線に頼る方法を試す事にした。
と言っても、この水平器と垂直の線がどこまで信用できるのかは、甚だ疑問なのではあるが。
小生の知る限りにおいては、残るはこの方法くらいしかない。
なので、しぶしぶやってみる事にした。

プラッターにレコードを乗せ埃を取る。
そしてレコードの上に、水平器を線が書かれた面をカートリッジ側にして乗せた。
リフターを上げたままで、水平器がカートリッジの先端の部分に着くようにして、リフターを下げた。
正面から見て、水平の線とカートリッジの水平が平衡になるようにアジマスを調整する。
次にレコードを少し回してから、別の場所で同様にしてカートリッジと水平器の線を見て先程と同じくらいの平行か確認した。
両者とも同じくらい平行のようだ。
これ以上は調整しようがない。
そしてレコードを掛けてみるが、広域にカサツキがある。
また音が左側に寄っているようだ。
針先がLチャネル側に傾いているのかも知れないな?
この状態で、水平器の気泡の方で傾きを見てみると、気泡だけで調整していた時とは、
気泡の傾きが違うようである。
水平器の線は正確ではないのだろうか?

再び、水平器の線を確認する。
次は、水平器を裏返して、線の書かれた面をカートリッジとは
反対側にくるようにして確認してみた。
すると、少し傾いているように思える。
やはりこの縦横のメモリ線も正確ではないのかな?
結局この方法も暗礁に乗り上げてしまった。

音を聴く限りでは、水平器の気泡に頼る方がまだマシなような気がする。
音を聴くと若干音が左に寄っている気がしたので、
針先が若干溝のLチャネル側に傾いているのかと思い、カートリッジを正面から見て反時計回りに回す事にした。
今度は水平器をシェルの上に乗せて、気泡を見ながら反時計回りにごく僅かに回した。
これだと、プラッターの上に水平器を置いた状態とシェルの上に水平器を置いた状態とで、
気泡の位置は変わらないように見える。
じゃあこれでなんとかカサつかない音が出てほしいところなのだが。
午後に始めた調整は、ここまで調整したところで、もう疲れ切ってしまった。
オーディオを一旦中断して、ダラダラとテレビを見ることに。

気付けば、夕方になっていた。
そして、恐る恐るレコードを掛けてみると、なんとかカサつきは取れたようだ。
音も中央に寄ってきたようだ。
これならいけそうだ。
考えてみると、冒頭に書いた通り、水平器を置く場所により、プラッターの水平バランスが違うと
思われるので、水平器の気泡を頼りにはできないと思ったのだが、
一方で、DELPHIというプレーヤーは、ORACLEというメーカーのアナログのプロ達が作ったものである。
シェルの場所に重みが加わることで、プラッターの水平バランスが大きく崩れるような設計をするかな?
相手はプロである。
このようなバランスの問題は想定内で、より影響が少なくなるように設計しているのではなかろうか?
だとすれば、気泡を信じて調整する方が良いのかなと思ったりもした。

この考えと、出てきた音から、気泡を信じて調整を追い込むことにした。
あとは、微調整をして、今度のオフ会で判断して頂くことにしよう。


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