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曰く付きのレコード Freddie Hubbard / Groovy! [1961年]

最近はヨーロッパ盤に手を出すことが多くなった。
強烈なハードバップには飽きが来ていて、少しゆったりめの曲や
違った雰囲気の演奏を好むようになったのもあるだろう。
この盤は、某レコード店のセールで、昔なかなか見つからなかった思い出がある。
セールにはUS盤のものとヨーロッパ盤のものがあるのだが、
FONTANA盤はヨーロッパ盤のセールで出てくるのが殆どなのだ。
しかし、実はUS盤で探していた。
それは出てこないはずである。

しかし、内容はというとレコーディングもニューヨークだし、
メンツもUSの人達なのでUS盤のセールに出るべきものだと思うんだけれど。
なぜだか、今でもヨーロッパ盤のセールで出てくるのだ。
多分だけど、FONTANAって多くのヨーロッパの人達の盤を出しているので、
それでFONTATA=ヨーロッパ盤だろうとなっているのかもしれない。

RIMG0808.jpg

それで、話は変わるが。
この盤はもともと幻のレーベルJAZZLINEから
トロンボーンのWillie Wilsonのリーダで出る予定だったらしいが、
JAZZLINEが倒産して没になってしまったそうだ。

その後、皮肉にもDuke PearsonやFreddie Hubbardのリーダーアルバムとして
世に出てきてしまったのである。
まあ、1961年といえばFreddie Hubbardが売れていた時代だから、仕方ないか。
でも、Willie Wilson可哀そう。

しかも、元々は、トランぺッターはKenny Dorhamで、
ベースはWilbur Wareだったのだけれど、こちらもレコーディングの日に
急遽メンツがFreddie HubbardとThomas Howardに変わっている。
これでは良い演奏を残せるわけないよね。

と思うが、流石のメンツだけあり、録音された演奏は流石としか言いようがない。

この盤は、PRESTIGEやJAZZLINEからDuke Pearson、Freddie Hubbardの名で
数回リリースされてたようだが、このFONTATAの盤が初めて世に出た盤ということで、
すなわちオリジナルということになっている。
PRESTIGEやJAZZLINEと音の違いを比べたことはないが、
なんとなくオリジナルのFONTANAに手がでてしまったという盤。

しかし、この盤を聴いてみると随所にWillie Wilsonの演奏が見られ、
特にバラードなんかは良いね。
Duke Pearsonの演奏にはいつもの研ぎ澄まされた様が聴きとれるし、
Freddie Hubbardの演奏も聴きごたえがある。

やはり一番好きなのは、Minor Mishapだね。
この盤も、この曲を一聴してすぐに欲しくなり、ずっと探していた記憶がある。
Minor Mishapといえば、やはり一番に浮かぶのは、
John ColtraneのThe Cats。こちらはピアノがトミフラで、かなりの名盤。

というわ分けで、両者の音源がYouTubeに出てたので比べてみました。

まずはColtraneのThe Catsから。



Idrees Suliemanも好きなトランぺッターの一人。
Kenny Burrellカッコ良い!
安定感ありますね。
1959年の録音。


で、こちらがFreddie HubbardのGroovy!から。



こちらが少しテンポが速いが、こちらもなかなか良くないですかね。
Papper Adamsのバリトンもかなり効いてます。
Duke PearsonといえばPapper Adamsってくらいですから、
息合ってますよね!

両者、甲乙つけがたく。
やはりどちらも持っておきたい盤かなと。

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