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チューバホーンさん宅にお邪魔しました。 [オーディオ]

先日、チューバホーンさん宅にお邪魔してきた。
前回お邪魔したのは、今年の3月。
コロナが感染爆発するちょっと前のこと。

https://watt3pappy2.blog.ss-blog.jp/2020-03-08-1

この時、改めてDSD5.6MHzの器の大きさ音の良さに驚いたわけだが、DSD2.8MHzの音にはあまり関心できなかった。
DSD2.8MHzといえば、SACDに入っているデータが丁度これと同じ。

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今回、このSACDの音を聴いてみてという事で、お誘い頂きました。
手持ちのSACDが有れば持参くださいとのことだったので、CDラックを確認してみた。
小生も遥か昔、SONYのSCD-1という当時としてはなかなか良いプレーヤーを所有していた。また様々なお宅でSACDを聴いていたが、いまいちCDにちょっと毛の生えた程度の音で、
奴気になり盤を集めるには至らなかったのである。
なので、1,2枚持っているかいないかと思っていた。
ない盤を探してみると、何枚か出てきた。
もう20年近く前に購入した盤。
この中から、
Diana Krallのlove scenes
Jacintha Here’s to Ben
ヒラリーハーン バッハ ヴァイオリン協奏曲
と、オーディオマニア御用達の3枚を持って行くことに。
この三昧なら耳にタコができるほど聴いているので、音質チェックにもってこいなのである。

そして迎えた当日。
まず最初にベートーヴェンのピアノソナタを二枚聴かせて頂く事に。
まず1枚目。
お〜お、のっけから物凄い音がしてきた。
音が物凄く柔らかい。
これは、遥かにオーディオの域を超えた音がしているのではないか。
フォルテッシモでもピアノ音が飽和せず、ガツンとくる感じを残したまま、上手く音が消えてゆく。全く煩さがない。
そして、一つ一つの音に奥行き感があり、音に立体感がある。まさに演奏会場でピアノの演奏を聴いている感じがする、
これだよこれ。オーディオの域を越えたとは、こういうサウンドのことを言うのかもなあ。
こう心の中で呟きながら、じっと演奏に聴き入っていた。

もう10年以上前に、とあるお宅で、ディナウディオのフラッグシップをスペクトラルのプリ、パワーで聴かせて頂いた事がある。
これが、小生のオーディオ人生の中で最高のサウンドだった記憶がある。
広大なサウンドステージの中にポツリと浮かぶ、ソプラノの歌声。
当時はこのようなサウンドをオーディオで再現でいさきるのかと心底驚いた記憶がある。
あのサウンドは今なお、鳴らし方の一つの指針になっている。
無論、ディナウディオのフラッグシップやスペクトラルのプリ、パワーなど入手する資金もないし、鳴らす部屋も無いため、自分でこのサウンドを出すのは無理な事なのだが。

そして、今日、チューバホーンさん宅で聴いているサウンドは、環境は異なるが、まさにあのサウンドを彷彿とさせる。
これは、後でソプラノも聴かせて頂がないとなあ。

そして2枚目。
こちらは、一聴してPCMの音がした。
奥行き感はなくピアノのフォルテッシモは煩くて、ちょっときついなあ。音は平面的。
必死さは伝わってくるのだが。
1枚目の演奏が先生だとすれば、こちらは生徒さん。そんな印象。
う〜ん、こらは断然1枚目の音が好きだなあ。

一通り2枚を聴き終え、チューバホーンさんは、横浜のvafanさんと小生に、どちらが良かったかを質問された。
すると横浜のvafanさんは、2枚目が良かったそうだ。小生は断然1枚目と答えた。

そして、今聴いた2枚は、こちらとのこと。

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1枚目は、河村尚子の演奏。
2枚目は、20世紀最高のピアニストの一人とされるリヒテルの演奏。
だったそうだ。

あっちゃ〜。
河村尚子が先生で、リヒテルを生徒さんといつちゃったよ〜(笑)。
これは、一本取られましたな。
無論、詳細にクラシックの音楽センスを問われるのが無理な話なのだが...


リヒテルの盤は、
3chオリジナル・アナログ・マスターを稀少なアンペックス社製デッキで再生した上でリミックスし、DSDマスタリングでSA-CDバイブリッド化したとのこと。
SACDなのだそうだ。
負け惜しみで言うなら、
これで、SACDか〜。
3chをSACDにするにはちょっと無理があるかな〜(笑)。

この二枚で、音楽を聴いてるのか音を聴いているのかが分かりましたな。
そう、小生は音を聴いておりました。
最近では、完全オーディオモード。
音楽よりもアナログの歪みとか気になり、
かなり分析的になっております。

いやあ、チューバホーンさん、良く考えられた、なかなか面白い選曲をされますね。 
こういうのがオフ会をやっていて面白いなあと思うところです。

さて、SACDの本領が分かったところで、次の曲を。

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五嶋みどりと今井信子のモーツァルト。
これは、かなり良かった。
ヴァイオリンやヴィオラの質感が、これまで聴いたことのあるPCMの音とは明らかに異なる気がした。
ここま表現豊かなヴァイオリンの響きを聴いたことがない。これならオーディオという装置を飛び越え、
演奏に集中できる。
DAD2.8MHz相当の情報量なのだが、ここまで出れば演奏のニュアンスは手に取るように分かるため、これ以上のデータ利用は不要なのかもしれない。
こう思った。

次は、ヒラリーハーン。
これも、これまで聴いたことのないハーンの演奏であった。
ここまで表現していたのかと再認識できた。
これまでのPCMでは、演奏者側が意図した表現の半分ほどしか表現できていなかったのでは?と思ってしまうほど。
これでは、必死で演奏者が表現しようとしたものが、十分に聴き手に伝わらない。
これが、DSDの出現により、十分伝わるようになってきたのである。
良い時代になりました。

次は、オッターの盤。

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丁度ソプラノを聴いてみたいと思ってましたので、これは嬉しい選曲。
この盤は、今日聴いた中で1番良かった。
歌声が、歌手の表情まで手に取るように伝わってくる。
ここまで歌っている姿を表現できるとは。
これは凄いです。
恐るべしSACD。
ここまでの再生をオーディオ人生で経験したのは、先のディナウディオと今回の2回だけのような。
この音は恐ろしい。

小生がこれを超えるには、アナログをもっと追い込まないと無理だな。

その後、vafanさんと小生が持ち込んだ盤などを聴かせて頂いた。

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中でもPIRESとABBADOのモーツァルトの盤は、良かった。

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小生の持ち込んだDIANA KRALLのLOVE SCENESは、PCMとは全く鳴り方が違っていた。
今や押しも押されぬクリスチャン・マクブライドのベースが、中央に集まり、立体的で輪郭があるように聴こえる。
音一つ一つに奥行き感がある。
ここまでちゃんと録音されていたのだなあと感心した次第。


いよいよ最後の曲となった。
出てきたのは、なんと吉田美奈子のトワイライトゾーンのSACD。
なに〜。やられた〜。
こんなSACDを準備されていたとは。
実はこの盤、先日ブログに書いた通り、
拙宅でなかなかよくなるので、近々横浜のvafanさんにお聴かせして、驚いて頂こうと目論んでいたのだ。
その矢先、このSACDが出てきてしまった。
やられた〜。
こらは、チューバホーンさんに一本取られました。
そして出てきた音は、う〜ん、かなり濃い音。
うちのレコードとは大分音が違う。
うちのLPは再発かな?
こんなことを思いながら聴いていた。
しかし、どうも空間がいまいち出ていないような気もする。
ちょっと心に引っかかったままだったが、
後で調べてみると、バーニーグランドマンというエンジニアによるリマスタリングがなされているようだ。
バーニーグランドマンという人、有名なエンジニアで80年代のユーミンなども担当したようだ。
この辺り、エンジニアによる思考の違いなのかなと思った次第。

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というわけで、吟味させた多くのソースを聴かせて頂き、SACDの凄さを体験する事ができた。
やはりPCMとDSDでは次元が違うのだなあと再認識できた。
また、今回は前回お邪魔した時にあまり関心できなかったDSD2.8MHzのデータの入ったSACDでもものすごく良い音がする事が分かった。
問題は質の良い盤を探す事。
まだまだDAWの段階においてはDSDのデータを修正するのが難しいと聞く。
なので仕方なくPCM上で修正させている事も多いのであろう。
そうなると、本来録音されているDSDの情報が十分に活かされない。
今回のように鳴らす方の環境が良くなると、制作側の音質をモロに影響を受けるようになる。
今後はDAWの環境のネックがなくなり、
質の良いDSD音源が出てくることを願うばかりである。

オフ会終了後、美味しい焼き鳥屋さんにいって、感想会となりました。
4時間ほど話し込んでいたような気がする。

いやあ、今回もまたオーディオ熱を上げて頂けました。
デジタルであそこまで鳴らさせると、拙宅にお呼びするまでには、まだまだ調整を追い込まないとならないなあ。

チューバホーンさん横浜のvafanさん今回も貴重体験をさせて頂き、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いします。


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アナログでの空間表現 [アナログ調整]

アナログの調整を詰めてきて、
まだまだ追い込む必要はあると思うが、
ある程度歪をなくすことに成功した。
一方、先日のMC20の音楽的な魅力に圧倒されてしまい、
若干肩を落とす瞬間もあったが、
MC20などを吟味するのは、今後の楽しみにしておいて、
まあ、暫くは今のサウンドを楽しもうかと思っている。
フェーズテックは日本のメーカー。
海外メーカーに比べるとまじめな音に聴こえるかもしれないが、
他の日本のメーカーのカートリッジと比べると、
まだ音楽的になるカートリッジなのかなあと思える。
それに最近のMCカートリッジは、このところ凄まじい発展を遂げた。
そのおかげで、今まで聴くことのできなかったディテールまで再現できる。
古いカートリッジも魅力なんだけれども、新しいカートリッジにも
それなりの魅力がある。

そんな新しいカートリッジの魅力を発見できたアルバムがこれ。
吉田美奈子のTWILIGHT ZONE。
これも先にCDで聴いていたが、今はLPで聴いている。
暫く聴いていなかったのだが、昨日ひさしぶりに引っ張りだしてきた。
感性がJAZZモードからオーディオモードになっている現在は、
JAZZよりもユーミンやこの手のソースに手が伸びる。

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TWILIGHT ZONEは、1977年の録音。
JAZZに黄金期があったように、ジャパニーズポップスにおける黄金期は、
1970年代なのかもしれない。皆の才能が感性が爆発している。
この盤は、山下達郎がプロデュースしている。
Wikipediaによると、このアルバムが出た時、JAZZだとか言われたそうだ。
また、吉田のピアノに歌、ハーピスト、ブラス隊もその時全部一発録りされており、
実際にはスタジオ・ライブになっているとのこと。
リハーサルをやっているとは言え、一発であれだけ良い演奏を録音できたのは奇跡に等しい。
まさにJAZZと同じではないか。

CDで聴いていた時から、このアルバムの空間表現が大好きだった。
広大な空間に吉田の歌声やピアノがポツリと現れる。
また、スピーカーの左右、更に後方の奥のほうから、他の楽器がなるのが聴こえてくるのだ。
山下達郎が言っているように、スタジオライブで一発録り、
ゆえにこの空間表現ができるのであろう。

レコードでの奥行き感は、なかなかでない。
この空間表現ができるようになったのか?
久しぶりに引っ張りだしてきたこのLPを掛けてみると。

おお~。
奥行き感出てきたんじゃないか。
アナログの調整を詰めた結果、チリチリノイズもだいぶ軽減されているようだ。
故に、空間にポツリと現れる吉田の声やピアノの実在感が出てきたように思われる。
詰めた結果がこういうことろに表れてきたようだ。
フェーズテックのカートリッジで聴くと、
ザラツキがなく、空間の隅々まで音で満ち溢れているのが分かる気がする。
こういう広大が音場表現は、最近のカートリッジのほうに分があるような気がする。

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オーディオマニアの叔父さんにDSDで聴いてもらった。 [アナログ調整]

ある程度音が落ち着いたので、
九州にいるオーディオマニアの叔父さんに聴いてもらった。
勿論来てもらったわけではない。
こちらの音をDSD5.6MHzで録音し、ネットワーク経由で叔父に送り聴いてもらった。
いやあ、ネットワークが進んで便利な世の中になりましたな。
ひと昔前ならネットが遅すぎるし、自分でFTPサーバを準備しなければならなかったが、
今はクラウドを使えばすぐ。

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聴いてもらったのは、荒井由実のミスリム
叔父もユーミンのLPを持っているので、これと比較視聴してもらった。
叔父のシステムは、LP12でカートリッジはMC20、フォノイコはuesugiUTY-7。
小生のDSDは歪なく良く撮れているとのことであった。
しかし、ユーミンの声はMC20のほうが良いとのこと。声が聞きやすいようだ。

変わりにユーミンの別のLive盤を送ってもらい、聴いてみると。
こちらのほうがボーカルが前に出てきて良いではないか!

拙宅のシステムではボーカルが後ろに引っ込んでいて、
バックの演奏にかき消されるようだ。
ジャズを鳴らすのであれば、やはりボーカルが前に出るように調整する必要があると思われる。
叔父は、バランスが違うようだと言っている。
う~ん。
先日のアームの調整でやっとスタート地点に立ったという感じか。

おそらくカートリッジフォノイコの違いがそのまま出ていると思われるが、
やはり大きな違いはカートリッジの違いであろう。

先日、オーディオユニオンで聴いたMC20は高域と低域が出ておらず、いまいちだったのだが。
叔父のMC20は高域も出ているようが、やはり古いものなので個体差が結構あるのかもしれない。
P-3は帯域は広いが、フラットということなのだろうか。
MC20は帯域は狭いがうまく聴こえるようにバランスが取れているということなのかなあ。
帯域がすべてではないのは、皆さん良くご存じの通り。
う~ん、オーディオは奥が深い!
これは拙宅でも比べてみたいものである。

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トーンアーム・セッティング・ツール DR. FEICKERT ANALOGUE Protractor NGを使う。 [アナログ調整]

アナログのセッティングを徐々に詰めてきて、
いろいろなソースを聴くようになると、ごくわずかな違和感に気づくようになってきた。
例えば、ユーミンでは、やはり5曲目あたり、すなわり最内周で若干声が歪んでいるような気がする。
また、竹内まりやは、なんとなく声質がしっとりしていないような、
若干掠れたような声がする気がする。
また音がごくわずかに散漫になっているような気がする。
マイルスやブルーミッチェルのペットのMONO盤をSTEREO針で掛けると、
やはり少し歪んでいて、せっかくの高域の表現がうまく聴きとれない。
そんなこんなで、やはり、トラッキングエラーの調整はまだまだという気がしてきた。
諸先輩方もアームの調整だけで1年以上は掛かると仰っているが、
その意味が少し分かってきた気がする。

しかし、こう毎日毎日調整が上手くいかないと心が折れる。
それでCDを聴いてみる。
CDって、なんて歪やノイズの少ない良い音なんだろう!!!
やはりCDは、画期的だよなあとつくづく思たりもする。
歪みのある音で無駄に時間を使うより、CDを追い込んで良い音で
聴くほうが良いのではないか?
こう思ったりもする。

しかし、諸先輩方に聴かせて頂いたあのアナログのサウンドを思い出しながら、
拙宅でもなんとかあれに近い音を出したい!!!
そんな熱い気持ちを持ち続けながら、日々格闘中。

そんな中、トーンアーム・セッティング・ツールなるものを試してみた。
ちょっと高かったが、MADE IN GERMANYなので、精巧に作られているのかなと期待して入手した。

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セッティングは極めて簡単。
プレートをスピンドルにセットし、ゲージ・タワーをトーンアーム中央に固定し、
あとはプレートに印字されているポイントに針先がくるように
アームの位置を調整すればよい。

早速調整し、聴いてみた。
すると最内周での若干の歪が取れているようだ。
しかし、竹内まりやの声はまだ若干掠れているような気がする。
またブルーミッチェルやマイルスも若干歪んでいるような気がする。

ここまでしてもまだ若干の歪があるのか〜。
う〜ん。
どうしたものか。

しかし、これ以上にトラッキングエラーを0にできる方法を他に知らない。
でも、このProtractor NGは、ドイツ製。
オーディオ専門の代理店も扱っている。
プロが作っている製品で調整したなのだから、現在針先は極めて正確な位置にあると思われる。

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ということは、他に調整が必要ってことか?
アジマスは、先日これ以上ないというくらい、超微調整をおこない、
これまでにないほど歪の低減に成功している。
すると、あとはアームの高さか?

これまでアームをきっちり水平にしていた。
カンチレバーは、カートリッジを長く使っていると若干下がってくる可能性がある。
もしかすると、針先とは逆側を若干上げたほうが良いのかな?
ということで、0.2㎜程度上げてみることにした。
そして聴いてみるとどうでしょう。
気になっていた竹内まりやのボーカルにしっとり感が戻ってきた。
ブルーミッチェルやマイルスの高域も歪なく伸び伸びと鳴り始めたのである。
やはり0.25㎜の世界というのは、そんな世界なのかもしれない。

様々なアーチストのレコードを聴いてみたが、どれもしっくりくるようになっている。
というわけで、最後はアームの高さの微調整も必要だったが、
トラッキングエラーについては、Protractor NGのような
ツールを使うことで、極めて高次元のセッティングができるようだ。
アームやプレーヤーの癖なども考えられるので、
一概にツールだけにたよるのも良くないと思うが、
うちのDelphiとSMEのアームは極めて精巧に作られているので、
Protractor NGのセッティングでうまいところに針先がきたものと思われる。

自分なりにトラッキングエラーの調整をしてきたが、
自作のゲージだけではここまで追い込むのは難しいと思った次第。
やはり、プロが作ったものは信頼できる。
水平器もそうだが、プレーヤーやアームなど、
やはり信頼できるもの使う使うということが、
オーディオにでは大事なんだなあとつくづく感じた次第。

というわけで、筋金入りのオーディオマニアの諸先輩方には、
なかなかお聴かせできそうになかった拙宅のサウンドですが、
秋ごろにはお聴かせできるかもしれません。

いやあ、年季の入った諸先輩方に囲まれた環境のお蔭で、
拙宅もなんとかこのレベルのサウンドを出せるようになってきましたよ。

これまでは、まあまあ鳴ってるなという印象でしたが、
上手くなっているほうでは?と思えるほどになってきたと思います。

そんじょそこらでは鳴らない、物凄いサウンドを目指し、悪戦苦闘しているアナログの調整ですが、
俄然アナログが、面白くなってきました。
もう10年以上やってきましたが、ここに来て、
アナログは奥が深くて本当に面白いと最近つくづく思います。

やればやるだけ、音が良くなるのが分かるのが面白いところですね。
デジタルもいろいろ調整することは多いのですが、
アナログは物理的に弄って調整するという、
機械弄りに近い感覚があり、そこが面白いのかもしれません。
そういえば、昔バイクを弄って遊んでましたが、
それに近いかな。
アナログは、めちゃくちゃ面白い。

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ディスクユニオンからオーディオユニオンへ、そしてアジマス調整 [アナログ調整]

8/1は、半年ぶりにユニオンのレコードセールが行われた。
三密を避けなければならないので、
開催にはかなりの注意を払われたことであろう。

従来は早く並んだ人から順番に入店するスタイルだったが、
今回はくじ引きで入店の順番が決まる。
なので、どんなに早く並んでも、
くじ引きで後番を引いてしまうと、良い盤を掴める軽率は限りなく0に近くなる。
小生は、くじ引きの始まる11:30ギリギリに行った。
すると大勢のレコードマニアの方々が。
既にお店の外から三密ではないのか。
そんな小生もその1人である。
どうしようもない人種だなと自分に言い聞かせながら待っていると、
早速くじ引きが始まった。
40人弱くらいであろうか、皆ランダムにくじを引いていく。
そして自分の番。
恐る恐るクジを開けてみると、そこには「40」の文字が!
「終わったな」こう思った。
くじ引きの番号順に並んでいく。
知り合いの方には、十番以内の人もいた。
こちらは、もう帰ろうかなあと思いながら、一応列に並ぶ事に。
最後の番号の人が並ばられ、一通り順番通りに並んだが、
後ろに数人しかいない。
後ろから数えたほうが早いのである。
小生は昔から運や賭けには弱いが、強い人もいるようで、
あの人は昔から運が良いと言われている方もいた。
やはり持っている人は持っているのである。

お店の中は、従来は壁辺りに物が集中していたが、
今回はレコードフロア全てにレコードを散りばめられ、
なるべく密にならないように配慮されていた。

小生も後発ながら、なんとか二枚を掴んだ。
一枚はlee morgan sextet
もう一枚はdon sleet all members
lee morganは、額なしのレキシントンだった。
溝なしは持っているが溝ありは持ってない。
しかし、額なしだとやはり中途半端だなということで手放した。
don sleetはジャケに書き込みがあり、更に上から塗り直されていたので結局やめた。
暫くは、盤が戻ることを期待して暫く待っていたが、
戻る気配もなかたので、お店を出た。

「40」という数字が、頭をよぎる。
今日も収穫なしかと肩を落としながら御茶ノ水駅に向かっていると、
ふとオーディオユニオンに行ってみようかなと思った。

それは、先日から気になっていた拙宅の歪みの原因がカートリッジではないかということ。
Sさんのお宅といい、先日お邪魔したお宅のといい、
歪みがないのである。
しかもSさんは殆ど調整してないと仰っている。
そんなに調整しなくても、歪まないのかなあ。
これだけ調整して歪みが取れないなら、もしかしてカートリッジに問題があるのかな?
などと思うようになっていた。
あれから、ヤフオクでカートリッジをウォッチしていた。
以前からオルトフォンのMC30 superやMC20 superを使ってみたいと思っていたから、
ヤフオクに出てないか見ていた。
するといくつか出ているが、なかなか良い値段で手を出せないでいた。

今日の40という数字は、レコード買わずにカートリッジを買いなさいと
神の御告げがあったのだと勝手に解釈し、
オーディオユニオンアクセサリー館へ向かうことにした。

アクセサリー館でカートリッジを見ていると、
MC20が目に止まった。
店員さんが時間あるなら是非聴いてみてというので、
聴かせてもらう事に。
国内盤だが、ブルートレインを掛けて頂いた。
歪みなくグループ感があり良い音だが高域と低域が出ていない。
店員さんにこういうと、やはり昔のカートリッジだからという事で、
ヤマハのお勧めのカートリッジを聴かせて頂く事に。
するとこちらは高域も低域も出ている。
だけと音がつまらない。グルーブ感がない。
ジャズを聴いていると独特のノリというかグルーブ感はとても大事である。
これが感じられないカートリッジは、拙宅には合わないなと思った。
音が真面目ですねと店員さんに伝えた。
折角聴かせて頂いたので、申し訳ないと思いながら、
今回お店にきたいきさつを話してみた。
するとフェーズテックのカートリッジで、小生が使っているやつの
後継モデルを聴かせてくれることに。
すると、こちらは高域も低域も出ていて、かつグルーブ感もある。
こらが一番言いと納得し、さすがフェーズテックだなと納得が行った。
しかしこのカートリッジは十万以上する。
はいこれと直ぐに買えるわけはない。
店員さんは、フェーズテックのカートリッジは、
作りがしっかりしているし、きちんと作られている物なので、
カートリッジ自体が歪んでいる可能性は限りなく低いとのことであった。
そうなのか。やはりカートリッジが原因の可能性は低いな。

そうなると原因は何なのか?
ユーミンの盤は、Sさん宅では歪んでいなかった。するの盤の問題もなさそうである。
カートリッジの問題も低い。
そうなるとアームやプレーヤーか調整の何処かに問題があるということになる。
DelphiやSMEのアームは極めて高精度に作られている。
物自体に問題があるということは皆無であろう。
そうなるとやはり調整の何処かに問題があるということになる。
店員さんも今一度調整を見直してみて、
どうしてもということなら、フェーズテックの新しいカートリッジに変えてみてはどうかと仰っていた。
というわけで、結局何も買わずに家に帰って、
また調整をしてみる事に。
アームの高さ、トラッキングエラー、インサイドフォースの調整は何度もやっている。
音の傾向も少しは掴めてきた。
なので問題は殆どないのではないか。
そうなると残るは、アジマスと針圧くらいか。

まずはアジマスの調整を改めて行った。
調整は水平器をシェルの上に置き、傾きを見ながら、
リフターを下げ針がレコードの盤面ギリギリのところで水平になっている事を確認する。
すると傾いているではないか!
えっ?
この間、同じ手順で調整してるんだけど?
まあ、ズレてたので水平にしてから聞いてみた。

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すると、歪みが殆ど取れているではないか!
これか!原因は!

何度か調整していると、先日、水平器で調整したのに今回傾いていたのか、
原因が分かってきた。

それは、水平器の作りに問題があったのである。
水平器は二枚のアクリル板の間に液体を入れ、
二枚のアクリル板をプレスして作られている。
なので二枚のアクリル板の接着された部分の繋ぎ目が少しデコボコしているのだ。
全く気にしていなかったが、このデコボコ部分を下にして、
シェルの上には載せてしまうと、水平器自体が若干傾いてしまう。
この状態で水平を測っても基準となる底面が傾いているので、
液体をみて水平と思っても、実は水平ではないのである。
そこで、改めてデコボコのない面を探して、その面を底面になるようにし、
シェルに載せて調整してみると、歪みがとれた。
水平器で合わせれば、それで良いのかと思いきや、
ちゃんとした作りの水平器を使わないと意味がないのである。
そこまで気を使えなかったのは、小生の未熟さである。
いやあ、アナログは奥が深い。
0.25mmの世界で調整しているということを認識しないとなあ。

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しかし、今回この事が分かり、ほぼ歪みが取れて良かった。

Blue mitchellのMONO盤をphase techで聴いてみる。
先日お邪魔させて頂いたお宅で聴いたあのサウンドを
拙宅で出せるか先日試しに聴いてみたのであるが、
歪みまくりで聴けたものではなかったのだ。
今回はどうか?
アジマスの調整後に、改めて聴いてみると。
こちらも殆ど歪みが取れているではないか!
あのお宅で聴いたblue mitchellのサウンドに近いサウンドが!
まあ、Rubyとの音の差は仕方ないが。
これならMONO盤をSTEREO針で聴いても問題ない。

というわけで、トラッキングエラーの調整と
今回のアジマスの左右の傾きの調整だけで、
かなりのレベルに達する事ができました。

数々の年季の入った方々に色々なことを教わり、
このレベルのサウンド拙宅でも聴けるようになってきました。

今日は、ニューアイテムを入手し、
更に調整を追い込んでいます。
この記事は、また次の機会にでも。

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クラシックファンのお宅にお邪魔しました。 [オーディオ]

嬉しい事に、このところオフ会にお誘く頻度が上がっている。
引っ込み思案な小生は、なかなか自分からお誘いをするということは、
少ないけれど、内心はいろいろなお宅のサウンドが
気になっているのか、お誘い頂いたときは、殆ど参加しているのだ。

今回は、Sさんの企画で実現したのだが。
100%クラシックしか聴かない方で、
それもレコードしか聴かないという方のお宅。
スピーカーはTANNOY。
これでは、如何にもクラシックしかならないのでは?と思われてしまうかも。
しかし、Sさんが仰るには、クラシックファンの方にしては、
少し音がしっかりしている印象なので、
ジャズも良くなるのではと踏んでいらっしゃるようだった。

小生が知る限りにおいては、TANNOYというスピーカーは、
クラシックオンリーなので、ジャズには不向きと昔からの良く聞かされてきた。
また、昔パラゴンを使ってて、最近TANNOYに変えた方もいらっしゃった。
ここの方は、暫くしてやはりTANNOYではジャズは物足りなかったようで、
またJBLに戻られてしまった。
更に、ジャズならやはりJBLかALTECでしょう。
と長年聞かされ続けてきた。
一方、昔ジャズダンスなどのダンスホールでは、
TANNOYが多く使われていたとも聴く。
また、TANNOYで拙宅よりも良い音でJAZZを鳴らされている方も知っている。

という具合で、結局のところ鳴らされる方のセンス次第という結論になっている。
さて、本日のお伺いするお宅でのジャズサウンドは、
どのようなものであろうか?
ワクワクドキドキである。

ジャズが好きな小生もアナログを少しは調整できるようになってきた。
音が良いと仰ってくださる方もいるので、
その辺のサウンドには負けない自信は多少あるけれど、
オーディオは、不思議と、音が良くなればなる程、
更に良い音を追求させていらっしゃる方とお会いできる
チャンスが出てくるように思う。
それは、ジャズのアーチスト同士が繋がっていたように、
音が良い人同士が繋がっているからであろう。
魅力的なサウンドを出す方は、また別な魅力を持つサウンドを
出す方をご存知なのである。

最近では、どのお宅のサウンドも千差万別だけれど、
どれも魅力的で素晴らしいと感じる事が多くなった。
昔は聴かせて頂いた後に、家に帰り拙宅のサウンドのチープさに、
ガッカリすることもあったが、今では家はうちで、なかなか良いと思えるようになってきたのだが。

そんなこんなで、お聴かせ頂けるお宅のサウンドは、
かなり良い音なのだろうなあと覚悟しながら伺った。

まずは、コロナ対策。
お邪魔しまっすぐに洗面所へ向かう。
30秒以上しっかりと手を洗い準備OK。

リビングにお邪魔すると大きなTANNOYのスピーカーが鎮座している。
物凄いレコードの数々。
静かに回っているターンテーブルに、薄暗く光る真空管の玉が、
これから出てくるであろうサウンドをイメージさせる。
良い音がしそうだなあと、改めて覚悟した。

一通り機材の説明やこだわりをお話し頂き、オフ会開始である。
だいたいオフ会では、持ち込んだレコードは最後に聴かせて頂くのだが、
今回はまず持ち込んだレコードを聴かせて頂くこととなった。

カートリッジは、泣く子も黙るベンツマイクロのRUBY!
STEREO針だがMONO盤上手くなるのかなあ。

1枚目は、最近耳にたこができるほど聴いているJunior ManceのVerve盤。
早速掛けて頂いた。
聴こえてきたのは、しっかりとしたmanceのピアノ。
硬質で立体感がある。
一聴し、TANNOYのイメージが覆った。
うちより遥かに良い音である。
Ray Brownのベースも図太い。
流石だ。年季が違う。
これまた、凄いサウンドを、それもジャズをTANNOYで聴いてしまった。
Sさんも予想以上に良い音と仰っている。

やはり昔ダンスホールでTANNOYが使われていたという話は、
うそではないようだ。
めちゃくちゃジャズに合っている。

このサウンド!年季の入り方が半端ない。
これは、いろいろと種明かしをしていただかないと!

フォルテッシモの場面でも、音が波状せずに上手くなっている。
アナログの調整はかなりなさっているようだ。
MONO盤をSTEREO針で掛けているが、音が散漫になったり、
薄くなったりすることなくしっかりと出ている。
調整は見事というしかない。
うちでも、このレベルのサウンドを出してみたい。
そう強く心に刻んだのであった。
いやあ、そんじょそこらのサウンドでは聴けない、
凄いさんサウンドを聴かせて頂くとオーディオ熱が一気に上がるね。
クラシックもジャズも鳴るサウンド!
良いですね〜。

そしてベンツマイクロは、やはり優れたカートリッジだということを
この耳で再確認できた。

話は変わるが、拙宅ではオーバーハング調整の記事を書いてからも
調整を続けている。
先日の調整で一気に歪みが減った。
そのまにしておけば良かったかもしれないが、
前回の調整がまぐれであることを自覚している。
そのため、何度やっても調調整がピタリと決まるようにならなければ、
更なる音質改善は見込めない。こう考えていたからだ。
また、ほんのごく僅かながら高域の歪みを感じていた。
オーバーハング調整の記事を書いてから、
2、3日に一度はトラッキングエラーの調整をしている。
改めて何度か調整をしてみて、自分の腕を上げることにしたのだ。
すると、歪みかたがゲージの位置より1mm前後でも
変わることが分かってきた。
2、3日に1回は調整をし、なるべく歪みの少ないところに針先を合わせるようにしている。
それでもごく僅かな歪みが残っていた。
ここが楕円針の限界か?などと思ったりもしたが。
いろいろあり、今では更に歪みを減らす事に成功した。
この顛末はまた今度。

しかし、今日は、Sさん宅といいここのお宅といい、
なんであんなに歪みがないのか?
拙宅では一生懸命何度も調整をしてもなかなか高域の歪みが取れない。
拙宅のカートリッジを疑い始めた。

他に持ち込んだ盤も掛けて頂いた。
blue mitchellのblue’s moods。
when I fallin loveが伸び伸びの鳴っている。
こも吹きっぷりは、かなりアナログの調整をされている。
もう降参です。参りました。
Mono盤をSTEREO針で、ここまで上手く鳴らされると、
項垂れるしかない。
先にきいたあRayBrownとSam jonesのベースの音の違いも
はっきりと描ききっている。
うちのスピーカーの弱点である中低域の厚みがちょうど良く、
これなら両ベーシストの演奏の違いをはっきり認識できる。

それからlester youngや
diamond fiveなどを掛けて頂いたが、
いずれも満足のいく演奏であった。

このお宅が良い音なのは、ひとつはバイワイヤが効いていると思った。
かなり伸びやかな印象。
これまでの経験上、分けることには一理あるなと思っている。
それからアナログの調整はかなりの域だと思う。
アームは、ケーブルから変えられているようである。

拙宅はカートリッジを変えて歪みがなくなるか試してみようと思いながら帰路に着いたのであった。

今日も心躍るサウンドをありがとうございました。
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Sさん宅にアームの調整をしに行ったこと。 [オーディオ]

先日、オーバーハング調整の記事を書いたところ、
Sさんからうちのアームも調整してとご依頼を頂いた。
調整されていないということなら、調整することで音質改善ができる可能性があるので、
受け売りだが、伺うことにした。
と言っても、もし調整されているなら、下手に自分が触ることで
逆に音が悪くなる可能性もある。この時は触らないようにしようと思っていた。

一応、チェック用というか、拙宅で調整したユーミンのレコードがSさん宅でどういうふうに
なるのか、この耳で聴いてみたいという思いもあったので、持っていった。

005.jpg

最寄り駅につきSさんに連絡し、暫く待っていると、
カッコいいアウディが。
中にはセンスの良いグラサンにアロハのSさんの姿が。
流石Sさん、いつもセンスがめちゃめちゃ良いですね!!!

早速Sさん宅にお邪魔し、アームの調整を試してみることに。
持ち込んだゲージを元にトラッキングエラーの調整を行う。
ゲージに針を落としてみると。
ん? ゲージにピッタリ合っているではないか。
6㎝と10㎝と14㎝、それぞれに針を落としてみたが、
ゲージとほぼ一致している。
これは下手に触ると音が悪くなりそうだなあ。
急に不安になってきた。
それではと、歪具合が良く分かるユーミンのレコードを聴いてみることに。

すると、歪がなく良い音ではないか。
これならトラッキングエラーは殆ど発生していないということではないか。

う~む、なんでこんなに歪がないの?
なんで拙宅は歪むの?拙宅の調整がいまいちってこと?

とSさん宅で聴いたユーミンの音の良さに愕然としてしまったのであった。

カートリッジの傾き針圧も適正だった。

Sさん宅ではアームの調整は不要と判断し、小生程度の調整なら、
このままの方が良いですよということで、Sさん宅のレコードを聴かせて頂くことになった。

Sさん宅のプレーヤはトーレンスTD124である。
そしてアームはSME3009という夢の組み合わせ。
やはり良い機材で調整されていれば、このような良い音がするのである。

早速、ella fitzgerald louis armstrongの盤が聴こえてくる。
フワッと広がる空間に優しく広がるellaの歌声。
Sさんのスピーカーは、TANNOY。
やわらかな歌声が広がる。
やはり、この盤はレコードで聴くに限るなあ。
この温かみは、やはりレコードの持つ最大の魅力であろう。
CDでも温かみのある音はだせるのだが、
その一歩先にある、奥ゆかしさと言えば良いか、
実際の音にも奥行きがあり、密度がある感じがする。
CDでは、これまで聴いたことのある、どんなに素晴らしいと
思った空間表現のうまく出ている音でも、
音自体が平面的な描写に聴こえてしまう。
ただそれは、ほんの僅かな違いだけれど、大きな違いでもあるような気がしている。
例えれば、奥行き感のある風景画をみているのと、
目の前に広がる自然の風景をいている違いのような感覚。

こういう奥ゆかしさのある音楽を聴いていると、
何物にも変えられない喜びが湧いてくる。
しみじみと、「良いですね〜」を連発してしまった。

Sさんは、最近クラシックをお聴きになる割合のほうが多い。
昔はかなりジャズを、お聴きになられていたし、
アメリカでも多くの、ミュージシャンの生演奏をお聴きになられている。
そんなSさんが、あるときクラシックのほうが、
ジャズより自由な感じがすると仰るのだ。
クラシックは楽譜通りに、ジャズはインプロビゼーションで
弾くので、一見ジャズのほうが自由にみえるが。
この一言は、今回も仰られていたが、以前にも聴いた記憶がある。
奥が深い。
この一言は大きいぞと、小生の心に深く刻まれたのであった。
いつか小生もこの感覚に気づいたら、一気にクラシックを
聴き込むかもしれない。そう思った。
自分のことは自分でも分からないので、
こういう可能性があることも考えると、
今のスピーカーを手放せなくなるのである。
今だけを考えるとたしかにJBLなのかもしれない、
しかしクラシックも良い音でならそうとすると、
今のスピーカーに軍配があがる。
音像は小さいし、音場も広く、
音場的にはこれ以上のスピーカーはないと思っている。
話が外れてしまったが、そんなことを考えさせられた。

クラシックの盤から、バッハの曲を何曲か掛けて頂いた。
マタイ受難曲は、以前に良いと薦めて頂いたので、
御茶ノ水のユニオンでBOXのレコードを見つけて聴いたのだが、
難しすぎて、良さがさっぱり分からず、直ぐに手放してしまった。
最初から最後まで聴こうとすると、ど初心者の小生にはやはり無理がある。
今回、よい場面をすこし聴かせて頂いたが、
これが素晴らしかった。
ボーカルの場面など、天に登るような感じ。
こういう快感を求めて、クラシックファンの方は、
日々オーディオと向き合っているのだなあと思った、

Sさんの音は柔らかいので、尚更ボーカルがグッとくるのであろうか。
時間となったので、次のお宅にお邪魔することに。
またクラシックの良い盤を教えてくださいね。
今回もお聴かせ下さり、ありがとうございました。

次のお宅の記事はまた今度で。
ではまた。

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